あらすじ
海が見える街に住みたい。
そんな憧れを抱いた青年は周りの反対を押し切ってひとりで新しい地に向かう。今の海が危険であるということを知りながら。
そこで出会ったのは、どこか悲しげで、強い意志を青い瞳に宿した桃色の髪をした少女。
青年はどうして彼女がそのような目をするのか興味を持ち、訊ね、追いかける。
そして街中に鳴り響く警報の音。
深海棲艦がやってきたことを知らせる音。
少女の周りに現れる装備――艤装。
それは彼女が艦娘で、やつらと戦う存在であることを示していた。
彼女の名は、不知火といった。
そして彼女たちは困っていた。
彼女――不知火の話を聞くに彼女らの警備府には司令がいない、いなくなってしまったらしい。
このままでは艦娘らの代表となる人間がいないままで、それが本部に知られてしまう。そうなるとこの警備府に所属する艦娘たちは離れ離れになってしまうかもしれない。それだけはどうしても避けたいのだ、と。
だれか人間がいれば、と。
そして不知火は、青年を見た。